噛み合わせとは
日常の些細なクセや習慣が歯や顎に影響を与え、身体に様々な問題を引き起こすことがあります。
日中の食いしばりや睡眠中の歯ぎしりは、脳が通常制限している噛む力を8倍にまで増加させます。日々のストレスなどが原因でこれらの習慣が続くと、歯や顎に負担がかかり、結果的に顎関節や噛み合わせに悪影響を与える可能性があります。
定期的に歯科検診を受け、適切な対策をとることが重要です。
身体への影響を最小限に抑え、健康な歯や顎を維持するために、顎の違和感や痛み、歯ぎしり、食いしばりなどの症状がある方は、お気軽にご相談ください。
悪い噛み合わせがもたらす悪影響
むし歯になりやすい
通常、噛むことで歯同士がぶつかり、汚れが自然に落ちるメカニズムが働きます。しかし、噛み合わせが悪いと歯同士のぶつかり面積が減少し、十分な自己清掃が行えずむし歯のリスクが高まります。
歯周病になりやすい
歯周病の発症も悪い噛み合わせによって起こりやすくなります。適切な噛み合わせがないと歯ぐきの間や歯と歯の接点で十分な清掃が難しく、細菌の繁殖が進みます。その結果、歯周病の進行が促されます。
顔に歪みが出やすくなる
片方の歯だけで噛む習慣が続くと、顔の筋肉が不均衡になり、徐々に歪みが現れます。この歪みが進むと顎の形状も変わり、外見に影響を及ぼします。
頭痛や肩こりになりやすい
噛む筋肉のバランスが崩れ、顎関節から頭にかけて繋がる筋肉が緊張を引き起こし、頭痛や肩こりが発生することがあります。
顎関節症
顎関節症の症状として、口を開けようとすると顎に痛みを感じる、顎から音がする、顎に違和感が生じることが挙げられます。中には口が開かなくなるケースもあります。
顎関節症は、日頃の無意識の習慣が原因となることが多いため、これらの症状を抱える方は、日常の生活習慣を注意深く見直す必要があります。顎が痛い、音がするといった症状が現れた場合、早期に歯科医院で診断を受け、適切な治療法や対処法を検討することが重要です。
歯ぎしり・食いしばり
「歯ぎしり」は一般的に夜中に行われる無意識の行動で、歯をギシギシ、ギリギリと音を立ててすり合わせる癖を指します。この習慣は寝ている間に自覚できないため、しばしば迷惑行為とされますが、それだけでなくご自身の体にも悪影響を及ぼす危険な行為と言えます。
通常、人間の噛む力は自分の体重程度と言われていますが、歯ぎしりの際にかかる力は非常に大きいため、歯や顎には過度の負担がかかり、さまざまな問題が生じる可能性があります
歯ぎしりや食いしばりの力から歯を守るためには、マウスガードを使用することが効果的です。夜間の歯ぎしりや食いしばりから歯を保護し、負担を軽減します。
当院での噛み合わせ治療
被せ物などの高さを調整
詰め物や被せ物の高さが合わない場合、歯科医師が適切に削って調整を行います。これにより、正確な噛み合わせを実現し、歯や顎の不調を改善します。
インプラントを利用した噛み合わせ治療
一本でも歯を失うと、口全体の噛み合わせのバランスが崩れます。
失った歯を補うためには、インプラント治療が一つの選択肢です。この治療では、人工の歯の根っこが顎の骨と強固に結合し、安定した噛み合わせを取り戻すことができます。
マウスピースによる治療
ナイトガード
ナイトガードは、主に夜間の歯ぎしりや食いしばりに対処するために使用されるマウスピースです。歯ぎしりや食いしばりは、強い力がかかり、これが顎関節に負担をかける原因となります。ナイトガードは柔らかい素材でできており、歯や顎にかかる圧力を緩和し、歯の損傷や顎関節の負担を軽減します。
スプリント
スプリントは、顎関節症の治療に使用されるマウスピースの一種です。主に就寝中に使用しますが、症状によっては日中も使用することがあります。スプリントは、顎関節の位置を調整し、噛み合わせをサポートすることで、症状の緩和を図ります。